最初に結論をいうと、私が薄毛対策に使用していたシャンプーはコズグロ・スパ ミネラルシャンプーだ。もちろん安価な石油系合成界面活性剤シャンプーではない。無添加系のシャンプーではあるが、石けんシャンプーでもない。ノンシリコンではあるが、流行りのアミノ酸シャンプーでもない。ミネラルシャンプーと銘打つこのシャンプーを、私がなぜ選んだのかを説明していこう。
シャンプーの一番大切な要素は
あなたがシャンプーに求めるものはなんだろう。やはり育毛効果があることが一番か。さらにボリュームのある仕上がりになるとありがたい。それから香りの良さ。泡立ちがいいこと。髪のダメージケアをしてくれることか。
どれも、あれば魅力的な要素には違いない。しかしこれらはいずれもシャンプーの本質的な役割ではない。ものごとの要素が増えていくほど本来の意味は失われていくものだ。そう考えると、シャンプーに求める本質的な役割はたったひとつしかない。
汚れを落とす。これだけだ。
そもそもシャンプーに育毛効果を求めるのは間違っている。すぐ洗い流してしまうものにそんな効能はのせられない。その他の要素についても、シャンプーに様々な機能を持ち込むことは、添加物がふえることとイコールだ。これは薄毛に悩む髪や頭皮にとっては困ったことになる。
シャンプーに含まれる成分
私は天然成分由来にこだわり化合物を忌避する無添加信者ではない。
天然由来だから安心などというのは単なる広告イメージであり幻想だ。うるしやトリカブトも天然由来だし、フグ毒であるテトロドトキシンだって天然成分だ。化学的に合成され、安全性が確認された添加物がある方が良いことも多いだろう。
しかし多くのシャンプーに含まれる添加物はあまりに過剰だと考えている。試しにスーパーやドラッグストアで安く買えるナショナルブランドのシャンプーの成分表を見て欲しい。
成分:水、ラウレス硫酸Na、ジステアリン酸グリコール、コカミドプロピルベタイン、塩化Na、コカミドMEA、加水分解ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ヒドロキシプロピルトリモニウム、スクワラン、酢酸トコフェロール、トレハロース、アルギニン、ジメチコノール、ジメチコン、アモジメチコン、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、カルボマー、キサンタンガム、ドデシルベンゼンスルホン酸TEA、ポロキサマー407、ラウレス-4、ラウレス-23、トリデセス-12、セトリモニウムクロリド、PPG-7、PEG-4、クエン酸、水酸化Na、TEA、EDTA-2Na、安息香酸Na、メチルイソチアゾリノン、メチルクロロイソチアゾリノン、香料、カラメル
さっぱりわからない名前が多いと思う。
一つひとつについて詳細に説明するつもりはない。私はそんな知識も持ち合わせていない。調べるにも、ネット上にはコピペによる適当な理屈があふれているし、信頼できる実験結果などの一次ソースに当たれたとしても、濃度や長期に亘る使用条件下での結果はわからない。
ただ一つはっきりわかっていることがある。私の疑問は、なぜシャンプーにこれほどの種類の添加物が必要なのかということなのだが、この疑問について添加物の優位性を明確に説明している資料がみあたらないという点である。
先に言ったとおり、私は無添加信者ではないので、ちまたに溢れる添加物ヘイトに対する反論や、科学的に立証された優位性の説明があれば、納得してこれらの添加物入りシャンプーを使う。
しかし洗い上がりがしっとりする、指通りをなめらかにするといった効果はアピールするが、添加物の安全性・毒性についてはうやむやなのだ。薄毛の悪化を恐れる者としては、これは受け入れられない。
シャンプーの選び方
薄毛対策を開始した当時から私が書籍やインターネット、信頼のおける美容師などから得た情報を私なりに咀嚼してまとめると以下のようになる。
- もともとシャンプーは髪と頭皮の汚れを落とすためのものだが、油(皮脂)の汚れを落とすには界面活性剤が必要。界面活性剤の代表的なものは石けん。石けんは油に苛性ソーダや苛性カリを入れて作ったもの。対して化学合成により作られたものを合成界面活性剤という。科学的な作用はどちらも同じ。
- 自然派の大好物である石けんシャンプーが髪に良いとは言えない。石けんシャンプーを使用すると髪と頭皮に石けんカスが残る。石けんで髪を洗うとごわごわするのは、開いた髪のキューティクルにカスが入り込むため。これを閉じるためにリンス(今はコンディショナーか)で開いた髪をコーティングするが、髪と頭皮に石けんカスが残るので、傷めてしまうことがある。
- 数百円でシャンプーを作ろうと思うと、安価な合成界面活性剤を使わざるを得ない。ラウリル硫酸やラウレス硫酸は洗浄力が強くコストが安いので、大量生産される市販のシャンプーにはほとんどこれが使われる。髪へのダメージが大きくギシギシするため、シリコン(ジメチコンなど)を入れコーティングして手触りをごまかす。
- 指通りをよくするために潤滑剤や収斂剤を添加したり、香りをつけるため香料を添加する。印象をよくするため色をつける(色素添加)こともある。こうして添加した成分を親和させたり長持ちさせたりする必要が出てくるし、添加物が増えることによって泡立ちが落ちるのを補う必要がでてくる。こうしてさらに発泡剤や乳化剤、酸化防止剤と防腐剤などが添加されていく。
- 髪の毛はそもそも死んだ細胞であるため、ダメージ補修などあり得ない。傷んだ髪は傷んだままであるが、表面をコーティングすることで復活したように見せているだけ。綺麗に「見える」のだから、髪を美しく見せたい女性などにはそれでいいかもしれない。だが、ハゲや薄毛に悩むひとの場合、髪の成長サイクルに異常があるのだから、成長途中の髪がさらに傷んで早く抜けると症状が悪化するので大問題。見せかけでは意味がない。
- シャンプーに育毛効果を求めるのは間違っている。シャンプーは汚れを落とすためのもので、すぐに洗い流してしまう。育毛効果など期待できるはずがない。事実、有名なスカルプD(当時はなかったが)なども発毛や育毛効果をうたう文言は使っていない。そうイメージさせる言葉を注意深く使ってマーケティングしている。
上記の内容は、あくまで私が納得した論旨である。異論反論もいくつかあるので、腑に落ちない部分があれば、おのおのが調査し納得できる論旨に修正や補完されるとよい。
さて、これらの考えによるシャンプー選びのポイントは、シャンプーに多くを期待せず、汚れを落とすことに集中することだ。髪と頭皮のダメージを最小化するため、余計な添加物はいらない。薬効成分なども不要だ。
発毛や抜け毛予防のための薬効がほしければシャンプーではなく薬で対処するべきだ。以上の条件に合致し、余計なものを一切いれていないシャンプーが、冒頭で言ったコズグロ・スパ ミネラルシャンプーである。
コズグロ・スパ ミネラルシャンプーの特徴
コズグロスパミネラルシャンプーは洗浄成分として界面活性剤を使用せず、ナトリウム温泉に含まれる天然ミネラル成分主体で汚れを落とす。過剰な有害成分は一切使用していない。
しかしそのままではまったく泡立たず洗いにくいので、仕方なく発泡剤としてごく少量の界面活性剤(アルキルグリコシド)を添加してある。泡が立たないとシャンプーの使用量が増えて不経済なので、これはいたしかたないところだ。
公式サイトによると、一般的なシャンプーでの界面活性剤使用率は38%〜45%だが、コズグロは0.83%である。しかもアルキルグリコシドの安全性は石けんと同じで医療品にも使われる。ほぼ問題ないと考えていいだろう。
私が薄毛対策をはじめたころは、無添加で入手しやすくそこそこの価格で買えるものはこれしかなかった。コズグロも安くはないが、他はなんだかんだ理屈をつけてもっと高額なシャンプーばかりだった。
コズグロは当時有名だった毛髪関連サイトでは推薦する人が一番多かったシャンプーだ。今は私はこのシャンプーを長年使い、実体験から信頼を寄せているのだが、買い始めたきっかけは前述の毛髪関連サイトでコズグロが話題になったときの製造会社の対応だった。
毛髪関連サイトでは実際に何人もが、コズグロスパミネラルシャンプーが抜け毛に効果がある、薄毛対策に有効と書き込みをしていたので、この界隈では有名になっていた。それこそコズグロが自社サイトでその実績をアピールすればもっと売上はのびていただろう。ところがコズグロでは逆に「一部毛髪関連サイトで当商品が効果があるとの情報がありますが、発毛や育毛効果はありません」という意味の文言をデカデカと掲載したのだ。クレームを防ぐためという穿ったみかたもできるが、自サイトで効果をうたっていたわけではないし、それこそ「個人差があります」とでも書いておけばいいことだ。この対応をみて信頼できる企業であると判断し、私はコズグロスパミネラルシャンプーを買った。以降十数年たって久しぶりにサイトを見てみたが、企業スタンスは変わっていない。当時も今もコズグロは人体にも環境にもやさしく、洗浄力も確かな洗剤シリーズであることをうたっている。これ以外の要素はないというシンプルさが好きなのだ。
こういうわけで私はそれ以来ずっとコズグロスパミネラルシャンプーの愛用者である。まだ乳幼児期である娘の髪もこれで洗っている。洗っている最中や濡れ髪の状態では少しきしみを感じるが、乾くとさらさらになる。これは余計なものが入っていないので、髪のキューティクルが開いても入り込む物質がなく、乾くと元に戻るからだ。
値段は美容院のシャンプーほど高価ではないが、スーパーの市販品よりは高い。しかしリンスが不要なので経済的だ。
コズグロの公式サイトからも買えるが、正直Amazonや楽天の方が安い。300mlのボトルタイプと1000mlの詰め替えパックがあるが、私は最初からコスパのいい1000mlの詰め替えパックを買って使っている。シャンプーディスペンサーは無印良品や100均などで買ってもいいし、Amazonならこのあたりのディスペンサーをシャンプーと一緒に買っておけばいいだろう。
シャンプーの詰め替えパックはよくある切り取り式ではなく、しっかりしたキャップ式になっているので、1000mlが一度にボトルに入りきらなくても保存しておける。文末にAmazonと楽天の検索結果ページを貼っておくので参考にしてもらいたい。
ネット上には次々と新しいシャンプーが登場し、薄毛に対する効能や他品との優位性をアピールするが、大切なのは広告や宣伝文句にまどわされない自分の理論軸を持つことだ。私がシャンプーに求めるのは、汚れを落とすことだけだ。余計な機能をつけて添加物をふやさないでほしい。考えが近い方にはコズグロスパミネラルシャンプーをおすすめする。もっと良いシャンプーが現れたら代えるかもしれないが、私は当面これを使い続けるだろう。