フィナステリドとミノキシジルの副作用に注意すべきか

副作用について、私の経験談を交えながら考察していこう。

ときに、薬の副作用について絶対に避けなくてはならないと思っていたら、それは間違いである。

たとえば、スマートフォンは便利なものだが、バッテリーが一日持たないことが多い。iPhoneシリーズとiPhone Plusシリーズでは、サイズが小さい分、前者の方が減りが早い。スマホに内臓される電池のスペースが削られるからだ。また快適に動くようCPUとメモリを強化すれば、さらにパワーを使い電力消費は激しくなる。つまり同時期発売のスマホに小型化や快適さを求めるなら、バッテリーの持ち時間減少を許容しなければならない。

薬の副作用とはこれと同じことだ。ある事象に対して何らかの変化を与えると、別のところに必ず影響が出る。薬は人間にとってのメリットを作用、デメリットを副作用と呼んでいるだけで、どちらも状態の変化をあらわすものである。

よって副作用のない薬は存在しない。問題はメリットがデメリットを上回っていることと、そのデメリットを許容できるかどうかである。

記事が長文になったので結論から言うと、副作用についてのリスクを調べ尽くした上で、現在私が利用しているのはフィナロイドとフォリックスである。

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ミノキシジルの副作用について

ミノキシジルの副作用について検索すると、不安をあおるサイトが山のように出てくる。低血圧、多毛症、ニキビ、性的不能など、副作用が必ず出ると言わんばかりの書かれようだ。ただ私が不思議なのは、どうみても医師や専門家ではなさそうなサイトが、たとえば日本の薬事法をクリアし医薬品(第一類医薬品)として販売されているミノキシジルに対して、情報源を示さずに危険性を述べている点だ。薬の認可には膨大な資料や治験データが必要だと思うのだが、それをくつがえすほどの副作用事例を個人で集められたのだろうか。だとすれば、その情熱と労力には敬意を表するほかない。まさか想像で書いたり、ネットでコピペして集めただけというわけではないと願う。

蛇足だが、これらのサイトは必ず最後にある育毛剤の購入をすすめている。なぜかどのサイトも判を押したように同じ商品だ。主要成分のM-034(海藻エキス)とやらが、ミノキシジルと同等の効果が認められたとか、厚生労働省の認可があるなどと述べているサイトもある。しかし厚生労働省にも日本皮膚学会にも、その他医療機関のサイト、FDA(アメリカ食品医薬局)にまで当たったが、M-034が薄毛対策や発毛に有効だとするエビデンスはなかった。そもそも名称すら見当たらない。ちなみにその育毛剤は、入浴剤の多くが属するカテゴリーの医薬部外品である。これを厚生労働省の認可と言っているのであろうか。まあ「必ず効く」などの表現がなければ宣伝は自由だ。

日本皮膚学会によるミノキシジル治療考察

日本皮膚学会(JDA)では、ミノキシジルの外用薬による治療を最高Aランクに位置づけ、AGAの治療時にミノキシジルを第一選択薬として用いるべきであるとしている。日本皮膚学会のサイトから確認できるので、ソースも確かだ。

またこのサイトでは男性型脱毛症診療ガイドラインについて推奨文や解説をPDFで公開している。詳しくは原典(男性型脱毛診療ガイドライン:PDF)をあたっていただきたいが、ここにミノキシジルの臨床試験結果部分を引用する。(下線部分は当方で加工した。読みやすいよう改行や句読点、全半角などにも修正を施してある)

2%及び3%ミノキシジルを用い、約150例の男性患者を対象とした12週までの3件のランダム化比較試験と、それに引き続いた長期投与(24ヶ月)の前後比較試験で、2%及び3%ミノキシジルは、プラセボと比較して、1年以上の長期投与において有意に発毛を促進させ、重篤な副作用は生じなかった。

さらに2%及び5%ミノキシジルを用いた12ヶ月及び24ヶ月までの2件のランダム化比較試験において、5%ミノキシジルは2%ミノキシジルと比較して有意に発毛を促進させ毛髪量が増加したが、全身的な副作用は生じなかった。さらに国内における男性患者を対象とした1%及び5%ミノキシジルの24週までのランダム化比較試験では、1%と比較し5%ミノキシジルの有意な発毛効果が示され、副作用発現率に有意差はなかった。

また成人女性の男性型脱毛症患者に対しては、国内で24週までの1件のランダム化比較試験が行われ、1%ミノキシジルがプラセボに対して有意な発毛促進効果を示した。国外では約300例の女性患者を対象とした32週までの2件のランダム化比較試験が行われ、2%ミノキシジルの有効性が確認された。

一方、副作用の発現に注目した1件の非ランダム化比較試験があり、男女合わせて20,000例を超える症例に、2%ミノキシジルあるいはプラセボを1年以上外用させたところ、有害事象の発生頻度に有意差は認められなかった。

以上のように、ミノキシジル外用の発毛効果に関して良質な根拠があるので、男性症例に対して5%ミノキシジル外用液を外用療法の第一選択薬として、また女性症例に対して1%ミノキシジル外用液を男性型脱毛症治療の第一選択薬として強く推奨する。

何もしないよりも2%ミノキシジルのほうが、さらに2%ミノキシジルよりも5%ミノキシジルの方が発毛効果があること。重篤な副作用は生じないことなどが記載されている。2010年のデータなので少々時間がたっているが、これを修正するようなガイドラインは発表されていない。ミノキシジルは飲み薬の場合は気をつけた方がよいが(当サイト別記事参照)、塗り薬はほぼ問題ないと考えていいだろう。

ちなみに、医薬部外品の育毛剤によく含まれている成分であるアデノシン、t-フラバノン、ケトコナゾールなどは推奨ランクがC1、つまり「行うことを考慮してもよいが、十分な根拠がない」レベルとされている。M-034は名前すら出てこない。

私は厚生労働省や日本皮膚学会の情報を鵜呑みにしろとは言わない。彼らも間違うことはあるし、日本人がお上や権威に弱いのはまったくそのとおりだと思う。だが、エビデンスを示さず、出所のよくわからない情報でミノキシジルやフィナステリドを批判し、特定商品を紹介しているサイトよりは信頼できると思うのだが、いかがだろう。

プロペシア(フィナステリド)の副作用について

ミノキシジルについては前述のとおり、外用薬として利用するかぎり副作用を恐れずとも大丈夫だと判断している。問題はプロペシアに代表されるフィナステリドの副作用についてである。

日本皮膚学会とFDAのプロペシア考察

フィナステリドには、明確な因果関係が証明されているわけではないが、勃起障害(ED)、性欲減退、射精障害についての注意が促されている。これは米国FDAからも指摘されている。FDAはアメリカ食品医薬局というアメリカの政府機関で、日本でいう厚生労働省(の一部局)にあたる。FDAではプロペシアと男性の性的副作用の臨床試験について報告している。

いわく、プロペシアを服用して勃起障害や性欲減退を感じた男性は945人中36人で3.8%。対照群としてプラセボ(プロペシアと偽ってただの小麦粉などを飲ませる)を服用した934人中20人、2.1%が同様の症状を訴えている。この結果からではフィナステリドとED等に明確な因果関係は特定されないとしながらも、FDAはプロペシアの説明書に注意書きを追加するよう要請した。

CBSNEWS:FDA adds sexual side effects warning to baldness drug Propecia

さて、問題はこの結果をどう捉えるかである。ネット上にあふれる、フィナステリドの副作用の不安をあおって別商品を売りつける輩や、逆に根拠なく大丈夫と言い切っているサイトなどは論外だが、FDAの臨床試験結果はデータとして信頼でき、真剣に考えなければならない。ただ、このデータをどう判断するかが難しいのだ。3.8%の人が副作用を感じるということだが、EDや性欲減退は本人の精神的なコンディションに大きく左右される。たとえば血液検査などで腎臓や肝臓にダメージがあるなどという結果であれば、副作用だと言えるのだが。しかも偽薬を飲んだ対照群、つまりプラシーボ効果による思い込みでも2.1%が症状を訴えている。これらを考えると副作用は誤差ともとれる微妙なものだ。

日本皮膚学会でも、フィナステリドについて日本国内における同様のデータを紹介している。こちらはフィナステリドを1年間服用した被験者のうち2.9% に勃起機能不全、射精障害、精液量減少など性機能障害が出現したというものだが、その頻度はプラセボ群と有意な差はなかったと結論づけている。つまりフィナステリドのせいではないということだ。また副作用として肝機能障害があらわれることがあるとの記載もあるが、「まれ」であり「頻度もあきらかではない」と表現している。肝臓への負担はアルコールやサプリメントですらあることなので、この表現から私は問題ないと判断している。

ただし女性にはフィナステリドは厳禁だ。日本皮膚学会は、フィナステリド内服による治療をAランク推薦し、男性症例に内服療法の第一選択薬として用いるべきとしながらも、女性には用いてはならないとしている。これに関しては後述するが、FDAでも女性のフィナステリド内服に関しては、日本と同様はっきりと警告をだしている。

FDA:フィナステリド剤一覧

厚生労働省でも、FDAが出したプロペシアの注意事項について、翻訳文を掲載している。そこには女性と小児の服用禁止と書かれている。
厚生労働省:プロペシア(PROPECIA)(男性型脱毛症用薬)に関する注意喚起について

私にフィナステリドの副作用は起こったのか

フィナステリドの副作用については上記を理解したうえで使用されたし。としたいところだが、このサイトを訪れるということはハゲや薄毛をなんとかしたいと思い悩んでのことだろう。

私も薄毛に悩んでいたころは、毎日気が焦って仕事が手に付かず、藁にもすがる思いで有意な情報、リアルな実体験を求めていた。私が薄毛対策に成功したことはすでに述べたとおりだが、ここでは副作用を含めて私の身に起こったことをつまびらかにしよう。

結論をいうと私にはEDや性欲減退は起こらなかったが、精子検査で異常値が出た。だがこれはフィナステリドの影響なのかどうかはわからない。フィナステリド服用前に精液検査をしていないため、使用前使用後の比較ができないのだ。

不妊治療で精子を調べたら

当時の状況を詳しく説明する。

私には娘がいるが、こどもを授かりたいと思ったのは30代になってからだ。結婚したのはもっと前になるが、お互いの仕事が忙しかったこともあり、それまでは避妊を続けていた。ようやく妻の仕事が落ち着いたので、子作りを始めたのだが、30代も半ばを過ぎていたためかうまくいかなかった。二人でクリニックに行き検査したところ、夫婦ともに問題があることがわかった。私の問題は、精子運動率である。元気に直進する精子が少ないのだ。

私はこのときすでに妻の妊娠に向け、フィナステリド服用を中断していた。妊婦にフィナステリドは、触れることすら厳禁だからである。男性ホルモンの抑制効果により、胎児が男性だった場合、性器の形成が未発達になる可能性があるためだ。コーティングしてある錠剤を分割しなければ薬剤は漏れず大丈夫なのだが、私が使用していたのは分割して使うフィンカーだったので、子作りの3ヶ月ほど前から使用をやめた。すぐに子どもができなかったため、精液検査をしたころには服用をやめてから2年以上がたっていた。

服用をやめて2年以上たっているうえ、30代後半という年齢を考えると、精子運動率の異常はフィナステリドの副作用ではなく、老化によるものであったのではないかと思う。また、このころ会社では役員就任直後で猛烈に忙しい日々を送っていたため、ストレスも相当ありそれも要因かもしれない。

FDAが指摘しているのは、ED・性欲減退・射精障害であり、精子濃度などに関する指摘はない。日本皮膚学会ではフィナステリドとの因果関係は見られないとしているが、精液量の減少可能性を指摘している文献もある。しかし、あくまでそれは精液量であって、精子運動率にふれた情報は見たことがない。私は精液量や精子の数は正常値であり、むしろ普通よりも多いくらいであった。

もしフィナステリドの副作用が不安であれば、定期的に精液検査をするといい。異常があればわかる。今では郵送で検査できるところもある。ベビーライフ研究所のサイトから申し込めば検査キットが送られてきて、精液を入れて送り返せば検査してくれる。結果はメールで送られてくるので見られる心配もなし、便利だ。

ベビーライフ研究所

最安で2,680円(フォトなしパック1回検査)から可能だが、フォトなしパックは精子の写真と精子正常形態率がついてこない。重要な指標なので、このデータがついてくる4,900円の1回検査フォトEXパック以上がいいだろう。体調によって大きく変化が出るため、サイトでは2回パックを推奨しているが、まずは1回でもいい。1回目の検査で異常があれば、悠長に2回目を郵送するのではなく、すぐに泌尿器科の受診をおすすめする。独身でもこれから結婚や妊娠の予定があるといえば大丈夫だ。

泌尿器科は採取後1〜2時間以内に持っていかないと行けないため、なかなか時間を取れない御仁も多いだろう。郵送でいいから、一度検査しておくことだ。

ミノキシジルやフィナステリドの副作用が出た場合の対処

私の事例はフィナステリドの副作用ではない可能性が高いと考えているが、それでも赤裸々に体験を書いたのには理由がある。

こちらに書いたとおりだが、私は毛髪の悩みはときに人生を左右するものだと考えており、私のようにこの悩みから解放される人が増えることを願っている。だが、副作用が気になりフィナステリド服用に踏み切れない人もいるだろう。かといってこのまま何もせず禿げる恐怖と付き合っていくのはつらい。

そんなとき副作用の対処への関連情報があれば、踏み切る判断材料になるはずだ。無責任に大丈夫だと背中を押すことはできないが、副作用を理解し対処法を知ったうえで使用するならば、過度におそれる必要はない。

 

私の精子の異常は漢方薬で治った。これは不妊治療のクリニックで医師から指示を受けて飲んだものだ。漢方の名は補中益気湯(ホチュウエッキトウ)である。
補中益気湯

補中益気湯は特殊なものではなく、処方箋なしで普通に買える。効能は「虚弱体質」「疲労倦怠」「病後・術後の衰弱」「食欲不振」などの回復とされており、基本的には胃腸の調子を整え、体力を補うものである。どこにも不妊治療や精子の状態改善という効果は示されていない。しかし、私の担当医によると不妊治療にはこの漢方を処方されることがほとんどなのだそうだ。特に男性不妊症の場合には、精液量や精子の数、運動率などの改善にかなり効果があるとのこと。私も3ヶ月ほどの服用で精子運動率が正常値にまで回復した。人によってはもう少しかかるそうだ。

性欲減退や勃起障害については私には起こらなかった。だが年を取るにつれEDというほどではないが、衰えは感じてきたので、ネット上で一時期話題になったエビオス錠を試したことがある。
エビオス錠

こちらも胃もたれや消化不良、胸やけなど、胃腸系に効果があるものだが、アサヒフードアンドヘルスケアが販売しており中身はただのビール酵母だ。栄養補給薬とあり、サプリメントのようなものである。これもどこにも男性機能回復などの効能は示されていないが、私には笑ってしまうほど効果があった。飲んだ日と飲まなかった日で硬さがまるで違うのでプラシーボ効果とも思えない。

これら補中益気湯とエビオス錠については、効果について明確なエビデンスを示せず(そもそもメーカーが効能をうたっていない)、単に私個人の感想でしかない。今までの論質から外れる紹介の仕方なのだが、実際に効いたものを隠すこともあるまいと思い、ここに載せた。

補中益気湯はツムラとクラシエから販売されている。料金比較を行う際は、1日あたりの服用回数に注意されたい。ツムラは1日2包、クラシエは1日3包である。私は主にクラシエの補中益気湯を使っていた。

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エビオス錠は、有名なED治療薬などの医薬品に抵抗がある方は一度試してみてもよいと思う。気軽に買えるし、胃薬のようなものなので、恋人や奥方に見られても問題ないだろう。

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フィナステリドとミノキシジルを購入するなら

フィナステリドとミノキシジルを購入するならオオサカ堂がいい。理由はこちらの記事に書いたとおり、安いし信用できるからだ。

薄毛対策に効果があった内服薬はフィナステリド

私はもう10年以上オオサカ堂を使っているが、ニセ薬やトラブルになったことはない。
ポイント還元も多く、かなり薄毛対策の費用を節約できたのでおすすめだ。下記はオオサカ堂で私が購入しているフィナステリドとミノキシジル製薬である。

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